狂気を運ぶ暴雨

第7話 1/2

「もし本当でしたら、それは多分ラウケ神団の教えに従っているからだと思います」

「ラウケ神団?ラウケ神団について知っていますか?」

「はい。フロイオンさんもご存知のようですね」

「旅行中にラウケ神団の人々に命を救われました」

「そうですか。私もラウケ神団の人々から助けをもらったことがあります。
その時、彼らからラウケ神団の教えについて聞きました。
神がロハン大陸を破壊しようとしている考えは信じられませんが、他の様々な価値観については習えるところが多いと思いました。
この世の中で一番美しいことは真実だと信じているそうで、ラウケ神殿修道院はまるで図書館のように本が壁を詰めつくしているそうです。
後で機会があれば、ぜひ行ってみたいと思っています」

ジュリエットは自分を見つめているフロイオンの眼差しに少し恥ずかしさを感じたようで、少し顔を赤くし、下を向きながら小さい声で話した。

「何か…一人でしゃべっているようですね」

「大丈夫です。あなたの話を聞いていると、気が楽になります」

「でも…おしゃべりはお嬢さんらしくないですね」

フロイオンはうつむいているジュリエットの顔を優しく上げて、軽くキスした。
ジュリエットの目が驚きで大きくなった。

「大丈夫です。私の目にはあなたが一番美しい女性に見えます」

「フロイオンさん…」

「私達が出会った時間はまだ短いですが、多分私は初めてあなたに出会った瞬間から恋に落ちたようです。
あなたがいないと心が雨の空のように重くるしいですが、あなたに出会った瞬間、晴れてしまいます。
この気持ちが恋でなければ何でしょうか」

両手をジュリエットの顔に添え、もう一度優しくキスした。
目を見つめながら、もう1回ささやいた。

「ジュリエット、愛しています…」


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