第八章 夢へと繋がる鍵

第6話 1/2/3/4

もう夜中になっているが、どうか大長老がまだ寝ていないように願いながら、急いで行った。
エレナは走るようにしたので、‘巨大な知恵の木’に着いた頃には息が荒くなっていた。
最初、警備兵に用件を話した時、あまりにも息が荒かったのでわからなかったので、
彼らはエレナが何を言っているのかわからなかった。
エレナはやっと息を整えて話をした。

「大長老に緊急で話すことがあります!」

いきなり大きな声を出す彼女に警備兵たちは驚いて答えた。

「大長老は…お休み中ですが…」

「なら、起こしてください!ハーフリングの未来がかかっているものです!」

しょうがないと思ったのか、警備兵が聞いた。

「連絡はしますが…どなた様だとお伝えしましょうか?」

「エレナです」

エレナの名前を聞いた警備兵は驚いたように聞いた。

「トナンス大長老の子孫であるエレナさん?」

「エレナさんは昔カイノンに行きましたが…?」

エレナは短くため息を吐いて答えた。

「はい、私がトナンス大長老の子孫であるエレナです。ただいまカイノンから帰ってきました。急ぎなので早く大長老に案内してください」

警備兵は慌てて中に入り、エレナを応接室に案内した。
しかし、エレナは聞こえなかったふりをしながら、彼らの後ろを追って大長老の寝室に入った。
大長老の寝室の前で止まっている警備兵に早く連絡するように促した。
警備兵は静かにドアを叩いた。中からは何の反応もなかった。

「深く眠りに落ちているようですが…」

エレナは怒った顔でドアを強く叩きながら大きな声を出した。

「大長老!大長老!急用です!」

警備兵は驚いた表情でエレナから離れて、奥の様子を見ていた。
寝室のドアが開く音がし、ドアの中から大長老が現れた。
大長老は優しい表情を保てるようにしていたが、夜中邪魔されて機嫌が悪いのははっきりとわかった。

「どなたですか?」

大長老の機嫌などお構いなしに、エレナは正々堂々言った。

「カイノンから帰ってきたエレナです」


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