第九章 運命の渦巻

第10話 1/2/3

「久しぶりですね」

「トリアンさんが…どうして…ここに…?」

「図書館でファベルさんに会ったのだが、俺の名前を聞くと、お前を知っているかとたずねられてね。
ご縁だと思って家に連れてきた。」

手にしていたティーカップをテーブルに置きながらジフリトが答えた。

「探したい物がありまして、アインホルンまできました。エドウィンさんと出会えると思わなかったのですが、
再会できて嬉しいです。」

「僕も嬉しいです。さて、何を探しているのですか?
ヴィア・マレアからデル・ラゴスまでは近い距離ではありませんが…」

「ヘルラックを探しています。」

「ヘルラック?!」

驚いたエドウィンはトリアンとジフリトの顔を繰り返してみていた。
ジフリトは少し迷った様子だったが、静かに口を開いた。

「それについて…ヘルラックについて話したいことがあって、ファベルさんをうちに招待した。お前にもな。」

エドウィンはさらに驚いた。

「話を始める前にひとつ聞きたいことがあります。ファベルさんはなぜヘルラックを探しているのですか?」

「それは…」

トリアンがすぐ話せず躊躇すると、ジフリトがはっきりとした口調で話した。

「デル・ラゴスでは、ヘルラックは禁じられている言葉です。
表向きには反乱を起こした主要人物ということになっていますが、より重要な理由でヘルラックに関する全てのことが隠されています。
エルフのファベルさんがなぜヘルラックについて調べているのか答えてください。」

「ジフリトさんは、大神殿の司祭ですね。だからこそ今から私の話を聞いて衝撃を受けるかも知れません。
聞かない方がいい話かも知れません。それでも知りたいですか?」

ジフリトは静かにうなずいた。トリアンは覚悟を決めるように息を呑んでから話し始めた。

「今世の中は混沌に満ちています。まるで破滅に向かって一歩一歩進んでいるように…
ヴィア・マレアの神官は神たちが我々を消滅させる為だといいました。
私たちはその未来を変える為に預言者デルフィンの記録を探してみました。
彼はヴィア・マレアの元の首都がモンスターに襲われるということを予言したことがありますので、現状に関しても何か予言があるのではないかと思ったからです。
結果彼が残した一つの予言詩を見つけることが出来ましたが、解釈が出来ませんでした。
唯一の鍵はヘルラックだけでした。デルフィンはヘルラックについて述べていました。」

「わかりました…やっと確信できました。
エドウィンとファベルさんに俺が知っているヘルラックに関して話すべきだということを…」


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