第九章 運命の渦巻

第4話 1/2/3

カエールは心の中からつぶやいて、少し考えている様子だったが、やがて口を開いた。

「もしカイノンで処罰されたとしたら、どうしますか?」

ロザリオ・ベニチは怒りを覚えているようだった。落ち着いて話を続けようとする彼の声にはすでに殺気が帯びていた。

「息子がカイノンでハーフエルフたちとつるんでいたとしても、彼は厳密にヴィア・マレア所属のエルフです。何の権限でその罪を問われるというのですか?」

「人を殺したとしてもですか?」

「ベルナスがそんなことをするはずがありません!息子に会わせてください!」

「申し訳ございませんが、息子さんのペルナス・ベニチはカイノンで4名のハーフエルフの女性を殺害しました。しかも一番祝福される結婚式で新婦を殺しました」

「あり得ない!誰かの計略です!今すぐ息子に会わせてください!」

「大変残念なことですが、カイノンの法律により、ペルナス・ベニチとその友人は殺人罪で処刑されました」

すぐ追いついてきたセルフはさっきまで冷たかったカエールだが、ヘベットを保護するためにエルフたちが殺害されたわけではなく、法律により処罰されたとうそをついていることが分かった。

息子がもう死んだというカエールの説明にロザリオ・ベニチは怒りを抑えられなくなった。

「誰だ!誰が、私の息子を!誰か早く出てこい!」

「俺がしました」

集まっている人が振り向いてみたら、淡々な表情で立っているヘベットがいた。

「あなたの息子は俺の婚約者を殺しました。しかも俺の目の前で。それで俺の手で直接あなたの息子を殺しました。処刑される前に俺が殺したので、他のハーフエルフとは関係ないことです」

「お…お前が、俺の息子を!殺す!」

狂気に満ちたロザリオがヘベットに向かってワンドを振るうところを見ていたカエールはすばやく弓に矢を定めた。全てが一瞬のことだった。稲妻のような光がヘベットを襲った。

ヘベットは悲鳴を上げて倒れてしまった。集まっていたハーフエルフたちが驚いて悲鳴をあげて散らばってしまった。ロザリオはもうすでに狂っているようだった。彼の目にはハーフエルフ全員が犯人に見えるらしく、ヘベットの後ろに立っていたセルフにまでワンドを振るおうとした。

その瞬間、カエールの弓から放れた矢がロザリオの額に射された。ロザリオの体が地面に崩れていくのを目にしたエルフ警備兵は、急いでワンドを取り出し、ハーフエルフを攻撃しようとした。

しかし、魔法キャストが終わる前にカエールは5本の矢を射した。正確なカエールの矢は、エルフ警備兵に当たっていた。ロザリオを保護していた警備兵全員が倒れてしまった。カエールと周りの人々は、すでに彼らが死んだと思った。

「ヒヒーン!」

しかし、警備兵の中の一人が胸に矢が刺さったまま、ユニコーンに乗って走り出した。
気が付いた時には既に遠くなっていた。戦争が始まってしまったのである。


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