狂気を運ぶ暴雨

第4話 1/2

「ヘルラックはクラウト・デル・ラゴスの参謀でした。
兄を暗殺し、3代国王になったクラウト・デル・ラゴスが、先王の王妃に追出された後にもヘルラックはクラウト・デル・ラゴスと一緒でした。
それが唯一、世の中に知られている事です。
しかし、今日私が見たのは、想像も出来ないものでした」

緊張したため喉が渇いたのか、ジフリトはお茶の飲んだ後、話を続けた。

「クラウト・デル・ラゴスが謀反を起こす前から、ヘルラックは予言を話していたそうです。
今はヘルラックが予言者だったことについて知っている人はあまりいませんが、当時は有名だったそうです。
有名な予言者だったヘルラックがクラウトと出会ってから、彼の参謀になったそうです。
ヘルラックは、主神オンを信じていたそうですが、自分の予言能力は主神オンから授けられたと言っていたそうです」

「主神オンから授けられたと?」

トリアンは信じられない表情だった。

「はい、真実は分かりませんが、ヘルラックが話した言葉が記録に残っていました。
とにかくヘルラックは多くのことを予言しましたが、予言の内容については記録が残っていないため、詳しくは分かりません。ただ、ヘルラックが残した3大予言というものがあります。
主神オンの消滅・神々の裏切り・8英雄の誕生です」

「なぜ…なぜ聖騎士団と大神殿はその事実を隠していましたか?」

エドウィンの声は激しく震えていた。
思いもしなかった事実の衝撃も大きかったが、グラット要塞のことについて自分が話した内容を一切信頼してくれなかった、大神殿と聖騎士への裏切りの気持ちも強かった。


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