第四章 隠された真実

第12話 1/2/3/4

カエールの質問に考え込んでいたエドウィンが顔を上げる。

「分かんないことばかりなんだ。
あの暗殺者の奴らはなんなんだ、なんであいつらがそのダークエルフを狙っていたのか、なんであのダークエルフはそこにいたのか…」

「ダークエルフがハーフリングの地を通るのがそんなにおかしいですか?隣国だから普通にあることだと思いますが…」

エドウィンの質問にカエールが皮肉るように答える。

「聖騎士の旦那はそんなことも知らんのかね?
首都の神殿に引き篭もって、この世がどうなっているのかはさっぱりのようだな」

「そんなふうに言わないの、カエール。
他国の事情は知らない場合もあるのよ」

エドウィンの表情が硬くなるのをみたリオナがカエールを叱った。

「ハーフリングとダークエルフはとても仲が悪いのよ。
できるだけぶつからないようしているから、ダークエルフがハーフリングの地を通るのはよくあることではないの」

「何かあったんですか?」

「数え切れないほどあったのよ!
ダークエルフの貴族どもは根本から腐ったやつらばかりなんだ」

突然の荒い言葉に後ろを振り向くと、宿の女将が近づき、テーブルに皿を下ろしてきた。

「ビッキーおばさん…」

リオナは慌てた顔をしたが、ビッキーと呼ばれた宿の女将はダークエルフの事を思い出すことだけでもむかついてしょうがないと言いながら、興奮した口調で語り始めた。


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