第六章 嵐の前夜

第13話 1/2/3/4/5

静かに首を縦に振るライを見ながらロレンゾは深いため息をついた。

「そうですか…やはりダークエルフの魔法ですね。正確にいうとダークエルフの魔法の中でも古代の黒魔法です。グスタフさん、もしかしてこの方にウムコナンの根汁を飲ませましたか?」

「もちろん。どんな呪いでもウムコナンの根汁を薄くして飲むと解けるからさ。ただ彼女の場合薄くせずに原液そのまま飲ませましたが…間違ったかい?」

「いいえ。グスタフさんの処方のお陰で命を救われました。彼女にかけれていた古代の黒魔法は、自分自身のすべての生命力を一気に燃やし尽くします。生きている間はまるで自分が神様にでもなったかのような気にもなりますが、持っている生命力を全て使うと意識を失い2、3日で命まで失ってしまいます。

彼女が意識を取り戻せたのは、グスタフさんが飲ませたウムコナンのお陰です。ただあまりにも強力な黒魔法でしたので、その影響力で声を失ってしまったのだと思います」

「あれは、あれはよかったのか。どうか?治せるのか?」

「正直に言うと私一人でも無理かもしれません。最善を尽くしますが…エルフの魔法と黒魔法は属性が違いますので、ダークエルフの助けが必要です。しかし…ハーフリングの村にダークエルフがいるはずがないですね」

ちょっと悩んでいる様子だったグスタフは、いきなり何かひらめいたかのように叫んだ。

「フロイオンがいるんだ!」

「フロイオン?」

ロレンゾが呆然とした表情でグスタフを見ていると、グスタフが笑いながら説明した。


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