第九章 運命の渦巻

第3話 1/2/3

‘もしかして、これがエドウィンに定められた運命かもしれない。
真実を追究する彼の情熱はやがては彼自信まで燃やしてしまうかもしれない。
この時代は彼が真実に近づくことを許さず、命まで奪ってしまうだろう…
あえてエドウィンが一層真実に近づけるように手伝うことが俺の役目かも…’

ジフリトは苦い唾を飲んだ。口の中が砂漠の砂を飲んでいるように乾いていた。
国立王室図書館についたジフリトは、ゆっくりと司書に近づいた。
‘ヘルラック’に関する資料がないっていうことは嘘だ。
クラウトが謀反を起こしデル・ラゴスから出てしまうまで、二人の影響は大きなものだった。
だから、二人の資料は重要なものでありながら、秘密にするものになったのだ。
アインホルン大神殿にいるジフリトが‘ヘルラック’に関する資料の閲覧を許可されたのも1年前だった。
しかし、資料をみたいと思えなかった。
‘ヘルラック’とクラウトはそんな存在だったのだ。
ジフリトは始めて秘密の資料を閲覧することにした。
そして、エドウィンに伝えるのが本人の役目だと決めたからだ。
もしかして、これでエドウィンが墜落するきっかけになるとしても…
ジフリトは緊張で硬くなった顔で司書に話し始めた。

「‘書名のない資料’を閲覧したいと思っています。」

‘書名のない資料’という言葉をきいた司書の顔は真っ青になった。

「今から…ですか?」

ジフリトは何も言わず、頷いた。司書は流れる汗を拭きながら、机の上に置かれていたランプを持ちジフリトについてくるように指示した。
司書は隅っこにある小さいドアの前に向かった。
ドアの前で足を止めた彼は、再確認するようにジフリトを振り向いて彼の揺れない表情をみてから、首にかけていた厚い紐の先についている鍵を出した。
長い間鍵を迎えたことがなかった錠は重い音を立てた。
司書はランプを渡しながら、話した。

「この中で欲しがっているものが見つかると思います。
資料を探して後には私に声をかけてください。」

「分かりました。」


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