第九章 運命の渦巻

第3話 1/2/3

司書はジフリトが部屋にはいるとすぐドアを閉じた。
部屋の中には古い埃のにおいがしていた。壁には本棚でいっぱいになっていたが、あまり大きくない部屋だったので、本は多くはなかった。
ランプを近づけ、タイトルを調べてみた。
あまり時間が経たないうちに‘ヘルラック’に関する本を探すことが出来た。
いや本というより、巻物のようなものだった。
ジフリトは真ん中に置かれていたテープルの上に広げた。
書いてある文章はがっかりするほど短いものだったが、内容は衝撃的なものだった。
ジフリトは息があらくなるのを感じた。
何回も繰り返して内容を読んだジフリトは、混乱状態で部屋から出た。
一刻でも早くエドウィンに内容を伝えたい気持ちばかりだった。

司書に向かっていたら彼と話をしているエルフの女性が目に入った。
彼女は司書に何かを聞いていたが、彼は固い表情で首を横に振っていた。
手を伸ばすと届くくらいに近づいたら、会話の内容が聞こえてきた。

「本当に何もないんですか?」

「はい、ありません。前も探している人がいたので、全部探してみましたが、‘ヘルラック’に関する資料はありませんでした。」

ジフリトの目が大きくなった。‘ヘルラック’を探しているエルフ。
エルフは理解できないように顔を傾げながら、離れていった。ジフリトは司書にランプを渡して、急いで彼女の後を追った。彼女はがっかりした表情で図書館を見回ってから外に出た。
ジフリトも彼女の後を追って、図書館の外に出た。
周りに誰もいないことを確認した後、彼女に声をかけた。

「何のことで‘ヘルラック’に関する資料を探しているのですか?」

彼女は驚いた顔でジフリトを見た。

「私が‘ヘルラック’に関する資料を探していることを、どうして知っているのですか?」

「先ほど偶然、彼方と司書が話しているところを聞きました。無礼なことでしたら、お詫びを申し上げます。」

「大丈夫です。ちょっと驚いただけですので…
しかし始めてあった人に何かを質問する前に、自分の紹介が先だと思いますが…」

ジフリトは一歩下がり、丁寧に挨拶しながら、自分を紹介した。

「失礼いたしました。私はジフリト・バルタソンと申します。
アインホルン大神殿の司祭です。」

彼女の顔に驚きとうれしさが浮かんできた。

「バルタソンさん?もしかして、エドウィン・バルタソンを知っていますか?」

「はい、私の弟です。エドウィンとお知り合いですか?」

「そうですね…本当に短い時間を一緒にしただけだったのでバルタソンさんが私のことを覚えていらっしゃるか、自信はありませんが…
あ、すみません。私の紹介を忘れていました。私はトリアン・パベルと申します。」


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