運命の分かれ道

第3話 1/2/3/4/5

「今頃、侍女はキッシュを殺した短剣で自分の首を刺しているところでしょう。
後でキッシュと侍女の遺体を見つけた人々は、キッシュが侍女を誘ったが断れてしまい、怒りを抑えられなかったキッシュが無理を強要、抵抗した侍女の反撃にキッシュは死んでしまう。
侍女は国王の後継者を殺してしまったショックで自殺した。という筋書きですね」

初めて聞く声だが邪悪さを感じられた。なぜか鳥肌が立った。

「侍女は確実に自殺するのか?証拠は残らないだろう?」

大長老の声が聞こえてきて、やっと気が戻った。

「ご心配なく。侍女はキッシュに出したお菓子とお茶をはじめ、全ての痕跡をなくしてから自殺します。
文字通り悪魔に操られ動くだけです」

「君の言葉を信じてみよう。アドハルマ」

アドハルマという名は初めて聞いたが、悪魔の魔法に詳しい人物らしい。
先に、ハエムから悪魔に詳しい友達が一人いると聞いたが、もしかして同一人物かも知れない。

「大長老の侍女を犠牲にしたことはすこし残念でした。結構気が利く子でしたからね」

「アルメネスの復活のためなら、多少の犠牲は当たり前だろう」

短剣を握ったキッシュの手に力が入った。

‘アルメネスの復活…?いったい彼らは何を考えているんだ!’

「まあ、アルメネスの復活にはデカン族全員の命が必要ですので、今、犠牲になっている者達だけが特にかわいそうなわけでもありません」

「もちろん。アルメネスの復活の前では、それは問題にならないだろう?
キッシュも死に、ドビアンが国王になれるはず。その次は簡単じゃ」

「急いだ方がいいと思います。もう魔法の水の中毒になっているため、後3回が限界です。
3回以上飲むと中毒で全身が麻痺され死んでしまいます。
ドビアンが死ぬ前にアルメネスを復活させようとしたら、残された時間はあまり長くありません」


・次の節に進む
・次の話に進む
・前の節に戻る
・前の話に戻る
・前の章に戻る
・目次へ戻る