第六章 嵐の前夜

第7話 1/2/3/4

近衛兵たちはアリエとカエールが入れるように道を開けてくれた。中に入り、ドアを開けると部屋の中に円卓を囲んでゾナトとセルフが二人を待っていた。ゾナトは席から立ってカエールを向かえた。

「よく来た、カエール。つい先セルフからカイノンにお前が到着したと聞いて待っていた所だ」
「久しぶりだ、カエール」
「久しぶりです。ゾナト、セルフ。家に寄って荷物を片付けていて少し遅くなりました」
「大丈夫。さあ、みんな座ろう」

みんなが円卓を囲んで席につくとゾナトが神妙な面持ちで口を開いた。

「アリエからもう話を聞いたかもしれないが…」
「いいえ。アリエは何も話してくれませんでした。ただ、心の準備が要るとの話だけを…」
「そうか…そうだな。確かに心の準備が必要な話だ。できることなら、私の話を最後まで聞いた後も今のように沈着な姿を見せてほしい」

ゾナトは一回深呼吸をすると、落ち着いた口調でカエールに語り始めた。

「最近4人のハーフエルフが異様な殺され方をした。彼らはみな結婚式をあげていたハーフエルフの新婦だったが、結婚式の途中に、腹に手のひらぐらいの大きさの穴が開いて、その場で死んだ。死んだ彼女たちの隣には誰一人いなかったから、我々は魔法で攻撃されたのではないかと推測している」
「もしかして、結婚式の前に毒が入った物を食べたり、病気だったのではないですか?」

カエールの質問にセルフは首を横に振りながら答えた。

「違う。結婚式の前まではみんな健康だったし、遺体を調べて見たが、毒や病気の跡は全く捜せなかった」

「そしてモンスター達の呪いでもないよ。リーラの結婚式に行ったけど、近くにモンスターとかは見当たらなかったもん」


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